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「最大1Gbps」の嘘 — 実測との差はなぜ生まれる

(更新: 初心者向け

結論 — 「最大1Gbps」は出ません。そして、出なくても普通です

光回線の「最大1Gbps」は理論上の上限値であり、実測で1Gbps出ることはまずありません。 これは詐欺でも故障でもなく、ベストエフォート型(最大限の努力はするが保証はしない)というサービスの仕組み上、構造的にそうなっています。

実際のところ、光回線の平均実測速度は100〜500Mbps程度です。そしてこの速度であれば、動画視聴もビデオ会議もオンラインゲームも快適に使えます。

問題なのは「最大1Gbps」を契約しているのに20〜50Mbpsしか出ないケースです。これは「ベストエフォートだから仕方ない」では済まされない、明確なボトルネックが存在しています。

「最大」速度と「実測」速度が違う5つの理由

光回線の速度が「最大1Gbps」に届かない原因は、回線からあなたの端末に至るまでの経路上にあるボトルネックです。

最大1Gbpsのはずの回線が実測で細くなる、マンション配線やプロバイダ設備・ルーターなどのボトルネックを並べた図

原因1: マンションのVDSL配線(最大100Mbps)

最も多い原因がこれです。 マンションの共用部までは光ファイバーが来ていても、共用部から各部屋への配線が電話線(VDSL方式)の場合、最大速度は100Mbpsに制限されます。

「最大1Gbps」の光回線を契約していても、マンションの配線方式がVDSLである限り、100Mbps以上は物理的に出ません。

→ 自分のマンションの配線方式を確認する方法は『VDSLとは?遅い理由と配線方式の見分け方』で解説しています。

原因2: プロバイダの混雑(IPv4 PPPoE)

IPv4のPPPoE接続では、プロバイダの設備(網終端装置)を通過する際にボトルネックが発生します。特に夜間(20〜23時)はトラフィックが集中するため、速度が大幅に低下するケースがあります。

IPv6(IPoE)接続に変更すると、この混雑ポイントを迂回できるため、夜間でも速度が安定します。

→ 『IPv6の対応確認と設定手順』で対応状況を確認できます。

原因3: ルーターが古い / Wi-Fi規格が古い

Wi-Fi 5(802.11ac)以前のルーターを使っている場合、ルーター自体の処理能力が回線速度に追いつかないことがあります。また、Wi-Fiの規格上の上限速度がボトルネックになるケースもあります。

→ 『Wi-Fiルーターの選び方 完全ガイド』で買い替えの判断基準を解説しています。

原因4: LANケーブルがCat5以下

意外と見落とされるのがLANケーブルです。Cat5(カテゴリー5)のケーブルは最大100Mbpsまでしか対応していません。Cat5e以上(Cat6推奨)に交換するだけで、有線接続の速度が改善する場合があります。

ケーブルのカテゴリーは、ケーブル本体に印字されている「CAT5」「CAT5e」「CAT6」等の表記で確認できます。

原因5: 端末側の処理能力

古いパソコンやスマホでは、CPU・メモリの処理能力が通信速度のボトルネックになることがあります。特にブラウザのタブを大量に開いている状態や、バックグラウンドで重い処理が走っている状態では、回線の速度に関係なく体感速度が低下します。

どのくらい出ていれば「普通」なのか

「最大1Gbps」が出ないことはわかったとして、では実測でどのくらい出ていれば十分なのか。用途別の目安は以下のとおりです。

用途必要な下り速度の目安
Webサイト閲覧・SNS5〜10Mbps
YouTube(HD 1080p)5〜10Mbps
YouTube(4K)20〜25Mbps
Netflix(4K)25Mbps
Zoom・Teamsビデオ会議5〜15Mbps
オンラインゲーム30〜100Mbps(Ping値の方が重要)
大容量ファイルのダウンロード速ければ速いほど快適

100Mbps以上出ていれば、ほとんどの用途で困ることはありません。 逆に、20Mbps以下が継続する場合は何らかのボトルネックがあるため、原因を調査して改善する価値があります。

::::tip[ポイント] オンラインゲーム(特にFPS・格闘ゲーム)では、下り速度よりも**Ping値(応答速度)**の方が重要です。Ping値は20ms以下が理想的で、50ms以上だと操作の遅延を感じやすくなります。 ::::

じゃあどうすればいいか

「最大1Gbps」が出ないこと自体は問題ではありません。問題は実測が20Mbps以下で実際の利用に支障が出ているケースです。

改善の手順は以下のとおりです。

  1. まず実測を確認する — スマホの速度測定アプリ or fast.com で下り速度を測定
  2. 有線接続でも遅い場合 → 回線側の問題(VDSL配線、IPv4 PPPoE、プロバイダの混雑)
  3. 有線は速いのにWi-Fiが遅い場合 → ルーターの問題(規格が古い、設置場所、接続台数)
  4. 原因の切り分け → 『ネットが遅い原因と速度改善ガイド』で詳しいフローを解説

まとめ — 「最大1Gbps」はマーケティング用語

  • 「最大1Gbps」は理論上の上限値。実測で1Gbps出ないのは普通のこと
  • 実測100Mbps以上出ていれば、ほとんどの用途で十分
  • 20Mbps以下が続く場合はボトルネックがある。配線方式・IPv6対応・ルーターの3点を確認
  • 「最大速度」ではなく「実測速度」で回線の良し悪しを判断するのが正解