業務の接続条件を決めてから回線を比較する
フリーランスの回線選びは、取引先の接続要件、普段の安定性、障害時の代替手段を先に整理します。経費にできるかだけで高額なプランを選ぶ必要はありません。
| 仕事の使い方 | 契約前の確認 |
|---|---|
| 会議・チャット中心 | 仕事時間帯の安定性、上りと下り、宅内Wi-Fi |
| 動画・大容量データの納品 | 納品先への上り速度、同時通信、締切前の予備回線 |
| 取引先のVPN・接続元制限 | 固定IPの要否、方式、必要ポート、対応機器 |
| 止められない業務 | 保守受付時間、復旧条件、モバイル回線等への切替 |
1. 今の回線で仕事に支障があるか確認する
会議が途切れる場合は、同じ時間帯に有線接続や別端末を試し、大容量同期を止めて比べます。通信速度だけでなく、遅延の変動や切断の有無を記録してください。
IPoE対応は接続経路の混雑対策の候補ですが、Wi-Fiの弱さや接続先の障害まで解消する保証はありません。買い替え・乗り換え前に『テレワークの回線トラブル対策』で切り分けます。
重要な会議や納品に備えて、スマホのテザリング等で接続できるか事前に試します。容量上限、VPNへの接続、切替手順も確認してください。
2. 固定IPは取引先の指定を確認する
固定IPは、接続元IPを登録するアクセス制限などで必要になる場合があります。通常のメールや会議だけなら、固定IPを必須とするとは限りません。VPNも方式・設定により異なります。
「VPNを使う」という情報だけで選ばず、管理者へ次を確認しましょう。
- IPv4かIPv6か、固定IPが必要か。
- 利用するVPN方式と機器・ポートの条件。
- モバイル回線に切り替えた場合の認証やアクセス制限。
- 回線変更時に登録変更が必要か。
enひかりの固定IPサービスのような追加サービスでも、接続方式や対応ルーターを確認する必要があります。自宅サーバー公開も固定IPだけで実現するとは限らず、ポート制限や運用上の保護を含めて検討します。
3. 基本料金以外の費用とサポートを見る
固定IP、必要な接続オプション、ルーター、工事費、解約時の残債まで含めて利用期間の総額を比較します。スマホセット割は、対象となるプランと追加費用を確認してから差し引きます。
法人向けサービスは、保守や請求書、複数拠点などの必要性で判断します。個人向けか法人向けかだけで、通信品質や故障時の復旧時間が保証されるわけではありません。
経費は契約名義より利用実態で整理する
国税庁は、家事と業務の両方に関わる費用について、業務に直接必要な部分を記録に基づき区分する考え方を示しています。契約名義にかかわらず、仕事と私用の利用実態に合わせて区分します。
請求書、業務利用の記録、按分の根拠を残してください。具体的な整理は『在宅勤務のネット代と経費』で解説しています。
申込前の順序
取引先の要件を確認し、住所で使えるプランを調べ、機器・追加費用を含む見積もりを取ります。乗り換える場合は新回線でVPNや業務アプリの動作を確認してから、旧回線の解約を進めてください。
『回線診断』は候補を絞る入口です。固定IPや業務VPNの適合判定は、取引先と回線事業者への確認が必要です。