テレワーク中にZoomやTeamsが落ちる原因は、回線速度の不足ではなく、通信の「安定性」の問題であることがほとんどです。
オンライン会議に必要な速度は、実は下り・上りともに10〜15Mbpsあれば十分。100Mbpsの回線でも会議が落ちるなら、速度ではなく「パケットロス(データの欠落)」や「Ping値の乱高下」が原因です。
テレワークに必要な回線スペック
| 用途 | 必要な下り速度 | 必要な上り速度 | Ping値の目安 |
|---|---|---|---|
| Zoom(1対1) | 3Mbps | 3Mbps | 100ms以下 |
| Zoom(グループ・画面共有あり) | 10Mbps | 5Mbps | 50ms以下 |
| Teams(ビデオ会議) | 10Mbps | 5Mbps | 50ms以下 |
| 大容量ファイルの送受信 | 50Mbps以上 | 20Mbps以上 | 関係なし |
| VPN経由の業務 | 20Mbps以上 | 10Mbps以上 | 50ms以下 |
ポイントは**上り速度(アップロード)**です。自分の映像と音声を相手に送るのは上りの通信。下りが速くても上りが不足していると、相手側に「あなたの映像がカクカクする」「音声が途切れる」と言われます。
速度の目安について詳しくは『ネット速度の目安 — 用途別に必要な速度』をご覧ください。
原因の切り分け:3ステップ
会議が落ちる原因を特定するため、以下の順番で確認してください。
ステップ①:有線接続で試す
Wi-Fiではなく、ルーターにLANケーブルで直接つないでZoom/Teamsを試してください。これだけで安定する場合、原因はWi-Fiです。テレワークでは有線接続が最も確実な解決策です。
ステップ②:他の通信を止めて試す
家族がYouTubeやNetflixを視聴していませんか。会議中だけでも他の端末の通信を減らして改善するか確認してください。帯域の取り合いが原因なら、ルーターのQoS設定で会議端末を優先させる方法もあります。
ステップ③:時間帯を変えて速度測定
会議が落ちやすい時間帯に速度を測定してください。昼間は問題ないのに、夕方以降に不安定になる場合はプロバイダの混雑が原因です。IPv6(IPoE)への切り替えで改善する可能性があります。
速度の測り方は『スマホでできるWi-Fi速度の測り方』で解説しています。
すぐできる対策
Wi-Fiを有線接続に切り替える
テレワークで最も効果的な対策です。PCにLANポートがない場合は、USB-LANアダプター(1,000〜2,000円程度)で有線接続できます。Wi-Fiのパケットロスがゼロになるため、映像・音声の途切れが劇的に改善します。
Zoom/Teamsのカメラをオフにする
映像の送信には上り3〜5Mbpsを消費します。回線が不安定な場合、カメラをオフにするだけで音声の安定性が大幅に向上します。「今日は回線が不安定なのでカメラオフで失礼します」は、もはやテレワークの常識です。
バックグラウンドアプリを閉じる
クラウドストレージの同期(Dropbox、OneDrive等)やOSのアップデートが裏で通信を消費していることがあります。会議中は不要なアプリケーションを終了し、クラウド同期を一時停止してください。
Wi-Fiの周波数帯を5GHzに変更
有線接続が難しい場合は、Wi-Fiの周波数帯を5GHz帯に切り替えてください。2.4GHz帯は電子レンジやBluetooth機器との干渉で不安定になりやすいですが、5GHz帯はその影響を受けにくく通信が安定します。
IPv6(IPoE)接続への切り替え
特定の時間帯に不安定になる場合、プロバイダに問い合わせてIPv6(IPoE)接続に切り替えてください。混雑ポイントを迂回するため、夜間の通信品質が改善します。
IPv6の詳細は『IPv6とは?遅い回線が速くなる仕組み』で解説しています。
VPN接続で遅くなる場合
会社のVPN(仮想プライベートネットワーク)経由で業務を行う場合、VPNを通すことで速度が低下することがあります。これはVPNサーバーの処理能力や、暗号化のオーバーヘッドが原因です。
VPN経由で遅い場合の対策は限定的ですが、以下を試してみてください。
- VPNが必要な作業とそうでない作業を分ける(スプリットトンネリング)
- 有線接続にする(Wi-FiのパケットロスがVPN品質に直結するため)
- 会社のIT部門に相談する(VPNサーバー側の問題であることも多い)
注意
VPN接続の問題は、自宅の回線を変えても解決しないケースが多いです。回線の乗り換えを検討する前に、まずはVPNなしの状態で速度を測定し、自宅回線に問題がないか確認してください。
まとめ
| 症状 | まずやること | 効果 |
|---|---|---|
| 映像がカクカク・音声が途切れる | 有線接続に切り替え | パケットロス解消 |
| 会議が頻繁に落ちる | バックグラウンド通信を停止 | 帯域確保 |
| 夕方以降に不安定になる | IPv6(IPoE)切り替え | 混雑回避 |
| VPN経由で遅い | VPNなしで速度測定→IT部門に相談 | 原因の切り分け |
テレワークの回線トラブルは有線接続だけで8割解決します。まだWi-Fiで仕事をしているなら、LANケーブル1本で環境が劇的に変わります。
速度トラブル全般の対処法は『ネットが遅い原因と解決策 完全ガイド』で体系的にまとめています。フリーランス・個人事業主の方は『フリーランス向けネット回線ガイド』で固定IP・経費計上についても解説しています。VPN接続が遅い・途切れる場合の対策は『VPN接続が遅い・途切れる時の回線対策』で詳しく解説しています。在宅勤務のネット回線代を経費にする方法は『在宅勤務のネット回線代は経費になる?』をご覧ください。