最初に「使う場所」と「工事できるか」を決める

自宅や外出先でネットを使う方法として、ここでは光回線・ホームルーター・モバイルWi-Fiを比較します。このほか、ケーブルテレビ回線、建物備え付けのネット、スマホのテザリングなどもあります。まず住まいに使える設備があるかを確認すると、不要な重複契約を避けられます。

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主にしたいこと検討する候補先に確認する条件
自宅で会議・動画・ゲームを使う光回線建物の配線、工事の可否、開通日
工事せず自宅用のネットを用意するホームルーターエリア、自室の受信状態、端末購入代
外出先にも持ち運ぶモバイルWi-Fi利用先のエリア、容量、電池、接続台数
短期間・少量だけ使うテザリングやレンタルも比較スマホ契約の容量条件、利用日数、返却費用

光回線は自宅の通信品質を重視するときの有力候補ですが、建物内の配線や利用機器によって性能が変わります。どの種類も、公称最大速度がそのまま自宅で出るわけではありません。

Wi-Fiとインターネット回線は役割が違う

Wi-Fiは、スマホやパソコンなどを無線でネットワークにつなぐ仕組みです。家の外のインターネットにつながる回線そのものを指す言葉ではありません。

光回線を使う家庭の一例では、次のように接続します。

  1. 光回線が建物・部屋まで通信を届ける。
  2. ONU(光回線終端装置)が光信号と宅内で使う電気信号を相互に変換する。
  3. ルーターを介し、Wi-Fiや有線LANでスマホ・パソコンをつなぐ。

ONU・ルーター・Wi-Fiの機能が一体になった機器もあります。集合住宅では、VDSLモデムや壁のLAN端子を使う構成もあるため、どの家庭も同じ配線になるわけではありません。

外のネットワークから光回線でONUへ、LANケーブルでルーターへつながり、有線LANのパソコンとWi-Fiのスマホに分かれる接続例

光配線を使う家庭の接続例です。ONUは信号を変換し、ルーターが家庭内と外のネットワークをつなぎます。一体型機器やVDSL・LAN配線では構成が異なるため、契約先の配線案内を確認してください。

「Wi-Fiのマークが出ている」は、端末がWi-Fiにつながっている目印であり、インターネットまで正常に通信できる保証ではありません。逆に、光回線を契約していても、Wi-Fi機能のある機器がなければスマホを無線接続できません。必要な機器はバッファローの接続案内でも確認できます。

遅さの原因は、宅内Wi-Fi、回線、端末、接続先サービスのいずれにもあり得ます。ルーターや回線を買い替える前に、有線とWi-Fi、別の端末、別の時間帯で比べると切り分けやすくなります。

契約サービスが分からない方は『自分が何の回線を使っているか調べる方法』、機器を整理したい方は『ONUとルーターの違い』へ進んでください。

光回線 — 建物の配線と開通条件を確認する

光回線は、光ファイバーを使って通信する固定回線です。ただし「マンションに光回線が入っている」という説明だけでは、部屋まで光ファイバーが来ているかは分かりません。

NTT東日本の集合住宅向け案内では、建物内の配線を次の3方式に分けています。

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配線方式共用部から部屋までの接続確認したいこと
光配線方式光ファイバー対応する回線品目、光コンセント、工事の要否
VDSL方式電話線契約の速度上限、建物設備、光配線への変更可否
LAN配線方式LANケーブル建物側の設備と各部屋の接続仕様

同じ「光回線」でも、この設備や契約プランで速度の上限が変わります。IPv6への切り替えや高性能ルーターの購入だけで、建物配線の上限を引き上げることはできません。

向いている使い方

自宅で長時間の会議をする、家族の通信が重なる、大容量ファイルを送る、対戦ゲームの遅延を抑えたい、といった場合は光回線の導入を検討しましょう。建物までの接続をモバイル電波に頼らずに済みます。

ただし、回線や接続先の混雑、Wi-Fiの状態、端末の性能などの影響は受けます。「何台つないでも安定」「どれだけ通信しても制御されない」とは限りません。用途別の見方は『ネット速度の目安』で確認できます。本ページの実測データも、表示された集計条件の範囲で参考にし、自宅での速度保証としては扱わないでください。

工事・費用で見るポイント

設備が整っていれば訪問工事が不要になることもありますが、新しい引込みや建物内の工事が必要な場合もあります。開通日数は一律ではありません。賃貸では、申込先と管理会社に工事内容と許可の要否を確認してください。

料金は住居タイプだけでなく、回線品目、プロバイダ、機器、電話などのオプション、割引期間で変わります。月額にプロバイダ料が含まれるかも確認します。短期で解約する予定があるなら、工事費の未払い分や割引終了後の負担も比べましょう。

光回線の中にも契約の違いがある

NTT東西の回線を事業者が提供する光コラボレーションモデルと、独自のサービスとして提供される光回線があります。ブランド名が違っても利用するアクセス回線が共通のことがあり、同じ回線でも料金や窓口、インターネットへの接続条件は異なります。

1ギガと10ギガの選択も、最大値だけで決めないことが大切です。NTT東日本の光クロス案内も実際の速度が利用環境に左右されると説明しています。詳しくは『1ギガと10ギガの違い』をご覧ください。

ホームルーター — 工事不要で自宅に据え置く

ホームルーターは、4G・5Gなどのモバイル回線を受信し、室内の機器をWi-Fiや有線LANで接続する機器です。光ファイバーを引き込む工事は不要ですが、契約・端末の準備・開通手続きは必要です。

工事できない住まいや、光回線の開通待ちで候補になります。ただし、次の点を確認してください。

  • 受信状態: エリア内でも壁や建物、設置場所の影響で通信できない・遅くなる場合がある。
  • 通信の変動: 夜間の混雑や大量通信時の制御を含め、使う時間帯に試す。
  • 利用場所: home 5GやSoftBank Airには登録設置場所の制約がある一方、UQ WiMAXは契約住所以外でも利用できる。契約先の規定を確認する。
  • 端末負担: 「実質0円」は毎月の割引を受け続ける条件の場合があり、短期解約では未払いの端末代が残ることがある。

利用場所の違いはUQ WiMAXの公式案内、端末代と割引の関係はSoftBank Airの料金案内で確認できます。引越し先で使えるかも別途確認しましょう。

有線LANを使うと室内Wi-Fiの影響は減らせますが、基地局までの無線区間は残ります。『ホームルーターのメリット・デメリット』ではゲーム・テレワークの確認方法と費用の比べ方を解説しています。サービス例は『ドコモ home 5G』をご覧ください。

モバイルWi-Fi — 外出先に持ち運ぶ

モバイルWi-Fiは、電池を内蔵した小型端末でモバイル回線を受信する仕組みです。外出先でパソコンやタブレットをつなぐ用途に向いています。

容量条件、連続使用時間、同時接続台数、充電方法は機種と契約で異なります。ホームルーターより必ず遅い、接続台数は一律5〜10台、といった区分はできません。たとえばUQのモバイルルーター製品案内にも、機種固有の接続仕様が示されています。

家でも使う予定なら、普段の動画・会議・ダウンロードの通信量を確認します。容量に余裕がある契約でも、混雑や受信状態の影響は受けます。長時間据え置く場合は、充電中の利用や温度について説明書に従ってください。

少量・短時間なら、スマホのテザリングで足りる場合もあります。ただしスマホ本体のデータ無制限と、テザリングの容量条件が同じとは限りません。スマホを持ち出す間に家の機器が接続できなくなる点も含めて判断します。

料金は同じ利用期間の総額で比べる

回線の種類だけで、どれが最も安いかは決まりません。比較する各社について、同じ期間の見積もりを作ります。

回線料金+工事費・端末代+事務手数料・必要オプション−条件を満たせる割引・還元

工事費や端末代を分割払いする場合は、解約時点の未払い分も確認します。総額に購入代全額を含めた場合、残債をもう一度足さないでください。レンタルでは返送料と未返却時の費用も確認します。

スマホのセット割は対象プランや申込条件を満たした分だけ見込みます。家族全員が対象とは限らず、回線料金自体が安くなる仕組みとも限りません。

すでに回線がある人は、買い替えの前に切り分ける

遅いからといって、すぐ別の種類へ乗り換える必要はありません。

  1. 契約サービスと建物の配線を確認する。
  2. 同じ端末で有線LANとWi-Fi、異なる時間帯を比較する。
  3. フレッツ光系なら、契約中のIPoE・IPv4 over IPv6と対応機器を確認する。
  4. 原因に合う設定変更・機器交換・回線変更を選ぶ。

JPIXのv6プラスのように、IPv6とIPv4の通信を提供するサービスがあります。ただし、IPv6という表示だけで接続方式や速度改善は確定しません。

新規契約を選ぶ場合は『光回線選びに疲れた人へ』、戸建てなら『戸建ての光回線選び』、家族のサポートも考えるなら『親・実家のネット環境ガイド』へ進んでください。

回線の基礎知識をさらに調べる