VPN接続が遅い・途切れる時は、まず会社のIT担当者が認める範囲で、有線接続・不要通信の停止・発生時刻の記録を行います。VPNを切って比較できるのは、会社のルールで許可されている場合だけです。

VPNでは通信経路や暗号化処理が変わりますが、正常な速度低下率に共通の基準はありません。速度が何割落ちたかだけでなく、業務にかかる時間、切断、エラー、同僚の状況も確認してください。

まず確認:VPNの問題か、回線の問題か

  1. 遅いのがVPN内の全通信か、特定の社内アプリ・ファイル共有だけか確認する
  2. 同じPCをルーターのLANポートに接続し、同じ作業を比べる
  3. 許可があれば、同じ測定先でVPN利用時・非利用時を比較する
  4. 許可がない、または測定サイトへ接続できない場合は、その状態をIT担当者に伝える
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比較結果考えられる範囲次に行うこと
有線で改善するWi-Fiの電波・設定・端末の無線機能Wi-Fi環境を見直す
VPNの有無にかかわらず遅い端末・Wi-Fi・宅内機器・回線・測定先複数端末や別サービスも比較
VPN利用時だけ遅いVPN経路・サーバー・端末処理・業務システムIT担当者へ結果を報告
特定の社内サービスだけ遅いそのサービスや認証・通信経路サービス名、処理内容、エラーを報告

VPNを使わない測定先と社内サーバーは同じ経路ではありません。下り50Mbps以上ならVPNサーバーの問題、といった判定はできません。速度測定の条件は『スマホでできるWi-Fi速度の測り方』で確認できます。

回線側でできる対策

対策1:有線LAN接続にする(最優先)

手持ちのPCで有線接続ができれば、同じ業務を試します。Wi-Fi区間の影響を減らせますが、回線側の通信欠落やVPNサーバーの負荷は別に残ります。

LAN端子がない場合は対応アダプターを、離れた場所から配線する場合は必要な長さ・設置経路を確認してください。購入費用をかける前に、許可された別端末や別の場所でも再現するかを確認すると判断材料が増えます。

対策2:IPv6(IPoE)に切り替える

VPN外の通信も有線で特定時間帯に遅い場合は、契約先に現在の接続方式を確認します。PPPoEの混雑が原因なら、IPv4 over IPv6を含むIPoEサービスが改善につながる場合があります。

ただし、接続方式の変更がVPN・固定IP・指定ポートの利用に影響することがあります。例えばBIGLOBEのIPv6オプションは固定IPオプションとの併用や利用ポートに制約を案内しています。これは当該サービスの条件であり、全IPoEサービス共通ではありません。

契約先と会社のIT担当者に互換性を確認してから変更してください。『IPv6とは?遅い回線が速くなる仕組み』に用語の違いをまとめています。

対策3:VPN接続中のバックグラウンド通信を減らす

不要なクラウド同期・大容量ダウンロードを一時停止し、同じ作業の所要時間が変わるか比べます。作業後に再開し、会社が管理する更新や保護機能は独断で止めません。

Windowsの「アクティブ時間」は更新時の再起動に関する設定であり、通信を止めるための設定として扱わないでください。更新の通信を調整する必要があれば会社の管理手順を確認します。

VPNに入る通信は構成によって異なります。すべての通信を通す方式もあれば、指定した宛先・サービスだけを通す方式もあります。業務外の通信が自動的にVPNから外れるとは限りません。

VPNサーバー側の問題

次の場合はIT担当者へ調査を依頼します。いずれもVPNサーバーが原因と確定するわけではありません。

  • 同じ時間帯に複数の利用者から同じ症状が報告される
  • 有線接続でもVPN内の業務だけが遅い
  • VPNソフトのエラーや再接続が繰り返される
  • 特定の業務システム・大きなファイルの転送だけが止まる

報告に添える項目は、発生日時とタイムゾーン、端末・OS・VPNソフトのバージョン、接続先、エラーコード、再現する操作、接続方法です。許可された測定結果があれば添えます。パスワード・認証コードは送らず、ログは会社指定の方法で共有してください。

MicrosoftのTeams向け案内には、会議の通信をVPNと分けるスプリットトンネリングが示されています。対象通信とセキュリティ要件を踏まえて、会社のIT担当者とVPNベンダーが設計する対策です。個人で通信経路やプロトコル、ファイアウォールを変更しないでください。

回線自体の変更を検討する条件

回線の種類だけで変更を決めず、次の条件を確認します。

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条件変更前に確認すること
VPNを使わない通信も複数端末・有線で不調宅内機器・ケーブル・障害と、契約先の調査結果
建物の設備が業務で必要な通信量に合わない配線方式と工事可否、変更後に利用できる設備
モバイル回線で利用場所・時間帯に支障が続く設置場所の調整、試用条件、工事できる回線の候補
固定IPや特定の接続要件が必要会社の要件に合うサービスと追加費用

VDSLなら一定の速度まで落ちる、ホームルーターならVPNが頻繁に切れる、と一律には言えません。業務に必要な時間内で処理できるかを基準にします。工事費・機器代・旧回線の残債と解約費用も確認し、新回線で業務接続を確認してから旧契約を整理してください。

あなたの回線環境を診断する

住居や利用状況を整理して回線の候補を確認できます。下り速度とPingの測定も利用できますが、会社VPNの原因や配線方式・IPv6設定を確定するものではありません。

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まとめ

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対策確認できること実施する人
有線で比較Wi-Fi区間の影響利用者が許可範囲で実施
不要通信を止める同時利用の影響利用者が許可範囲で実施
VPN利用時・非利用時の比較経路による違いIT担当者が認める場合のみ
IPoEへの変更検討自宅回線の接続方式と互換性契約先とIT担当者に確認
VPN構成・容量の見直し会社側の通信経路や負荷VPN管理者

まず有線での比較と発生条件の記録から始め、結果を会社のIT担当者へ伝えてください。