結論:まず有線とWi-Fiを比べ、昼夜の記録で相談先を絞る
夜に遅くなったとき、同じ端末で有線とWi-Fiを比較してください。 Wi-Fiだけ悪化するなら宅内の電波環境を優先し、有線でも悪化するなら端末・ケーブル・同時利用を確認したうえで契約先へ相談します。
夜の測定だけで建物共用部とプロバイダのどちらが原因かを確定することはできません。昼間との比較や事業者側の調査が必要です。VDSLとわかっている場合も、宅内要因の切り分けは役立ちます。
最初の切り分けフロー
最初の数分でできるのは「次に確認する範囲」を絞ることです。昼夜の比較は別の時間帯に行います。
| 順番 | 実施内容 | 次の判断 |
|---|---|---|
| 1 | 契約先・利用サービスの障害情報を確認 | 障害案内があれば復旧情報を確認 |
| 2 | 動画、更新、クラウド同期を止め、同じPCで有線・Wi-Fi測定 | Wi-Fiだけなら電波環境へ |
| 3 | 別端末・ケーブルで比較 | 特定機器だけなら宅内を優先 |
| 4 | 昼間にも同じ条件で測る | 夜間差を記録し、契約先へ相談 |
| 5 | 配線方式と接続サービスを確認 | 設備上限やIPv4 over IPv6の条件を照合 |
再起動はメーカーの説明書に従います。ひかり電話なども止まるため、利用中の人に知らせてから行い、初期化ボタンは押さないでください。改善しても、原因がルーターだけだと確定したわけではありません。
ステップ① 有線とWi-Fiでの速度比較
有線測定の手順
- PCをルーターまたはルーター機能付きHGWのLANポートへ接続する。ONUへ直接つなぐ必要はありません。
- PCのWi-Fiを切り、他の大きな通信を止める。
- 同じ測定サイトで数回測り、日時・下り速度・利用に支障が出た内容を記録する。
- 可能なら別ケーブル・別端末でも確認する。
ケーブル、LANアダプター、ルーターのポートに100Mbpsの上限がないか確認します。契約上限と機器のリンク速度は別です。測定先による差もあるため、比較時は同じサイト・同じ条件を使います。
Wi-Fi測定の手順
有線を外し、同じPCを同じ場所でWi-Fiにつなぎ直して測ります。近距離の5GHz帯と普段使う場所・周波数帯を比べてください。PCとスマホの比較だけでは、端末性能の差も混ざります。
2.4GHz帯の結果も普段の利用状況を知る材料です。5GHz帯が必ず速いわけではなく、距離や壁の影響もあります。
結果の読み方
| 結果 | 疑う範囲 | 次の行動 |
|---|---|---|
| 有線は安定、Wi-Fiだけ悪化 | 電波・置き場所・無線側の機器 | 近距離、別周波数帯、別端末で比較 |
| 有線・Wi-Fiとも夜に悪化 | 宅内同時利用、端末、回線・接続先 | 通信を止めて再測定し、昼と比較 |
| 有線だけ遅い | ケーブル、ポート、LANアダプター | 交換・リンク速度確認 |
| 特定サイトだけ遅い | 接続先、経路、VPNなど | 別サイトやサービスの障害情報を確認 |
「有線50Mbps以下なら回線側」のような一律の閾値は使いません。朝も夜も遅い場合は『急に遅くなったときのチェックリスト』も参照してください。
ステップ② 隣戸(マンション内)影響の確認方法
確認手段
管理会社・指定サポートへ、同じ時間帯の申告、設備工事、障害情報がないか確認します。一括契約ネットなら建物名・部屋番号・有線での結果を伝えてください。
住民間で情報を共有する場合は、契約事業者・配線方式・接続方法が同じかを確認します。他住戸でも遅いことは共通原因を調べる材料ですが、一定の世帯数で設備混雑が確定するわけではありません。住所や契約情報を公開掲示板に載せる必要はありません。
○月○日の○時ごろ、PCの有線とWi-Fiの両方で動画が止まりました。昼間は同じ条件で支障がありません。宅内の更新・同期は停止済みです。同様の申告や設備障害はありますか。
改善の予定がある場合は、調査結果と見込み時期を聞きます。完了までの日数は物件ごとに異なります。
ステップ③ VDSL/光配線方式の判定
使用中の機器と配線を確認する手順
目視で手掛かりを集め、契約情報と照合します。
- 壁から現在接続中の機器まで線をたどる。
- 光コンセントからONUにつながるか、電話線からVDSLモデムにつながるかを確認。
- LAN端子の場合は、建物からの引込か宅内配線かを管理会社へ確認。
- 型番・契約タイプを控え、不明なら契約先へ問い合わせる。
『VDSLの確認方法』で詳しく解説しています。差込口だけで現契約の配線を確定しないでください。
| 配線 | 確認する制約 | 判断 |
|---|---|---|
| 光配線 | 契約速度、機器、接続方式 | 光配線でも混雑・宅内問題は残る |
| LAN配線 | 建物設備・部屋までのリンク速度 | 入居者が共用機器を変更しない |
| VDSL | 契約・設備上限、電話線・モデムの状態 | 上限と夜間の低下原因を分ける |
NTTの最大100MbpsのVDSLサービスでは接続方式だけで上限は超えません。ただし、上限以内の混雑やWi-Fiの問題が改善する場合はあります。
ステップ④ 機器原因の切り分け
1. ルーターの世代(Wi-Fi 5/6/7)
規格の世代だけで買い替えを決めず、対応端末・メーカーのサポート状況・有線との差で判断します。ファームウェアの更新と、契約するIPv4 over IPv6サービスへの対応も確認してください。
2. 設置場所と干渉
床、テレビ裏、金属棚の中を避け、説明書に従って風通しのよい位置へ移します。ルーター近くで改善するなら、距離や壁の影響を疑います。バッファローの対処手順も参考になります。
3. 接続端末数
台数だけでなく、実際に大きな通信をしている端末を確認します。テレビの動画、ゲーム更新、写真のバックアップなどを1つずつ止め、症状が変わるかを比べます。
PPPoEの混雑が疑われる場合は、契約先へIPoEとIPv4 over IPv6の開通状態を確認します。IPv6テストの成功だけではIPv4通信の切替を確認できません。『IPv6に変えても遅い場合』を参照してください。
ステップ⑤ 乗換判断 — どこまで来たら切り替えか
有線での支障が続き、契約先への調査依頼や宅内の見直しでも改善しない場合に、代替回線を検討します。VDSLという名前だけで直ちに解約する必要はありません。
乗換候補の整理
| 条件 | 検討する候補 | 先に確認すること |
|---|---|---|
| 光設備が併設済み | 現契約の光配線化 | 自室への引込、工事費・月額 |
| 併設なし、個別工事が可能 | 個別の光回線 | 許可、工事経路、開通日、退去条件 |
| 工事が難しい | ホームルーター | 室内電波、夜間の品質、端末残債 |
| 一括契約で設備調査中 | 改善を待つ/一時的な代替 | 調査予定、二重料金、必要な利用期間 |
独自回線やホームルーターも夜間速度を保証しません。月額だけでなく工事費、旧契約の解約費用、端末代を含めて比較します。
『個別に光回線を引く方法』『マンションのネット改善ガイド』も参照してください。
まとめ — 同じ条件の測定記録を相談に使う
まず障害情報を確認し、同じ端末で有線・Wi-Fiを比較しましょう。そこで原因を確定できなくても、昼夜の記録を揃えれば契約先や管理会社に具体的な調査を依頼できます。