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個別契約は可能。ただし条件3つを満たす場合のみ

VDSLマンションで「管理組合が動かない」「自分の部屋だけ光配線にしたい」と悩んでいる方へ。結論、個別契約での光配線化は可能です。 ただし誰でもできるわけではありません。

VDSL終了の全体像から確認したい方は『VDSL終了でマンションはどうなる?対象/対象外の確認方法と乗り換え先5選』を先にお読みください。本記事はその実務編です。

個別契約で光配線にできるかは、以下の3条件で決まります。

ポイント

個別契約 3つの必須条件
1. 物件に光配線方式の設備がある、または個別工事の許可が出る
2. 管理規約で個別工事が禁止されていない
3. 工事費・原状回復費を自己負担できる

条件1:光配線方式の設備、または個別工事の許可

マンションに「光配線方式」の設備がすでに導入されていれば、個別契約は簡単です。プロバイダに光配線方式(マンションタイプ・ギガマンション等)での開通を申し込むだけで、共用部の工事は不要です。

設備が未導入の場合は、電柱から自室まで光ファイバーを直接引き込む「戸建てプラン」での契約になり、共用部に光ファイバーを通す工事が必要なため、管理者の許可が必須です。

条件2:管理規約で禁止されていない

分譲マンションでは、管理規約で「共用部への配線工事は禁止」といった条項が設定されているケースがあります。許可申請の前に必ず管理規約を確認してください。賃貸の場合は契約書の特約事項を確認します。

条件3:工事費・原状回復費を自己負担できる

個別契約では、戸建て向けの工事費(22,000〜49,500円程度)と退去時の撤去・原状回復費が自己負担になります。共用設備を使う一括契約と比べ、初期費用は確実に高くなります。工事費実質無料キャンペーンで月額分割に置き換えられますが、契約期間内に解約すると残債が一括請求される点に注意です。

正直に言うと

3条件のうち1つでも欠けると、個別契約は現実的ではありません。特に分譲マンションで管理規約が厳格な場合や、賃貸でオーナーが頑なに拒否する場合は、後述するホームルーターでの代替が現実解になります。「無理筋を押し通す」より「次善策に切り替える」方が結果的に早く快適なネット環境を手に入れられるケースが多いです。

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許可申請のテンプレと進め方

許可申請は「最初の一通の文面」で結果が大きく変わります。管理者が拒否する本当の理由は「建物が傷つく」「退去後に揉める」の2点です。これに先回りで答える文面を出すと承諾率は明らかに上がります。

申請の3ステップ

ステップ1:管理組合・オーナーに事前相談

下記テンプレで「個別契約を検討中。回線事業者に調査だけ依頼したい」と伝えます。本工事の許可はこの段階では求めません。

ステップ2:回線事業者に現地調査を依頼

戸建てプランに申し込み、現地調査で「壁穴あけが必要か」「電話配管・エアコンダクトで通せるか」を確認します。調査自体は無料が多いです。

ステップ3:調査結果を持って最終許可を取る

調査結果(穴あけの有無・工事図面)を添えて再申請。「穴あけ不要」「退去時は原状回復」が明確になっていれば許可率は高まります。

許可申請テンプレ(コピペ可)

いつもお世話になっております。〇号室の〇〇です。
現在のインターネット環境(VDSL方式)の速度に不便を感じており、自費で個別に光回線を契約したいと考えております。壁に穴を開けない工事方法(電話配管・エアコンダクトの利用)を前提に、退去時は原状回復することを条件に、まずは回線事業者へ現地調査を依頼させていただけないでしょうか。調査結果が出次第、改めて工事内容をご報告のうえ、正式な許可をお願いしたく存じます。

このテンプレのポイントは3つ。「穴を開けない方針」「自費負担」「原状回復」を最初に明示することで、管理者の3大不安を先回りで解消します。

よくある拒否理由と回避策

拒否理由回避策
「建物に傷がつく」電話配管・エアコンダクト経由で穴あけ不要と説明。事業者調査結果を提示
「他の住民との公平性」全住民の費用負担なし・共用設備を使わないと明示
「退去後の処理が面倒」原状回復義務と撤去工事費負担を書面で約束
「管理規約に該当条項がない」「規約に明示なきため可否判断をお願いしたい」と丁寧に依頼
注意

口頭での許可は後々のトラブル原因になります。必ず書面(メール・LINE等の記録に残る形を含む)で許可を取得してください。退去時に「そんな許可は出していない」と言われると原状回復費を全額負担するリスクが残ります。

個別契約できる光回線(戸建てプランで契約可能な事業者)

許可が取れたら、次は回線事業者の選定です。マンションで個別契約する場合、「戸建てプラン」が利用できる事業者を選ぶ必要があります。とくに電力系・独自回線系の事業者は、提供エリアが限られる代わりに混雑しにくく、個別契約の有力候補になります。

個別契約向け 主要4社の比較

事業者月額(戸建て1G)工事費提供エリア主な特徴
auひかり5,610円〜41,250円(実質無料あり)全国(一部除く)独自回線で混雑しにくい。auスマホセット割-1,100円
NURO光5,500円(3年定額3,980円)49,500円(実質無料あり)関東・関西・東海・北海道・九州の一部独自回線で2Gbps。3階建て以下中心
コミュファ光5,170円27,500円(実質無料あり)愛知・岐阜・三重・静岡・長野中部電力系。事務手数料770円
eo光5,448円(即割)29,700円(実質無料あり)大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀・和歌山・福井関西電力系。auスマホセット割対応

※ 料金はすべて税込、2026年5月時点。各社のキャンペーン適用条件によって実質月額は変動します。詳細は各プロバイダの公式サイトで確認してください。

提供エリアの考え方

NURO光・コミュファ光・eo光はエリア限定なので、まずは公式サイトのエリア検索で自宅住所を入力してください。エリア外なら全国対応のauひかりかフレッツ光系(光コラボ)を検討します。光コラボはマンションタイプ前提の案内が多いですが、「マンションタイプが使えないので個別に引きたい」と伝えれば戸建てプランでの申込に切り替えてもらえます。

主要候補のポイント

auひかり戸建てプランは、ずっとギガ得3年で月額1年目5,610円→3年目以降5,390円と段階的に下がります。auスマートバリュー(auスマホ/UQモバイル)で月額-1,100円が適用されるため、auユーザーなら実質4,500円台。auひかり公式サイトでエリアを確認できます。

NURO光は最大2Gbpsの独自回線で、戸建て3年定額が月額3,980円と安価。提供エリアが限られ、3階建て以下が中心という制約があるため、NURO光のエリア検索で対応状況を確認してください。

工事費の相場と原状回復費

個別契約で発生する費用の典型額を整理します。マンションタイプと比較して初期費用は確実に上がるため、月額換算で本当にお得になるかを事前に試算してください。

工事費の典型額

項目典型額備考
戸建てプラン工事費22,000〜49,500円各社の実質無料キャンペーンで分割相殺可能
事務手数料770〜3,300円コミュファ光は770円と最安
撤去工事費(退去時)0〜31,680円事業者・契約年数で変動
壁穴の補修費5,000〜30,000円穴あけ工事した場合のみ

実質無料キャンペーンは月額に分割で割引を充当する仕組みです。契約期間途中で解約すると残った分割分が一括請求されるため、短期解約の予定がある場合は要注意です。

退去時の原状回復費

退去時の費用は工事内容で変動します。穴あけなし工事ならONUと光ケーブルの撤去のみで、追加費用は発生しないか撤去工事費(数千〜1万円程度)。穴あけ工事だった場合は穴の補修費(1cm程度なら5,000〜15,000円、複数箇所や大きな穴は3万円超)を借主が負担するケースが一般的です。

ポイント

auひかりは2022年7月以降、戸建ての撤去工事を任意にしています。「撤去しない」を選べば、退去時の撤去工事費(最大31,680円)は発生しません。撤去を求めない物件オーナーであれば、撤去費を浮かせる選択肢があります。

許可が出ない場合の代替策 — ホームルーターという選択

「管理組合が動かない」「オーナーが許可を出さない」場合は、工事不要・開通即日のホームルーターが現実的な選択肢です。回線工事も管理者の許可も不要で、コンセントに挿すだけで使えます。

ホームルーターの実力

5G対応エリアなら実測100〜300Mbps程度が期待でき、VDSLの実測(20〜80Mbps)と比べてダウンロード速度は確実に改善します。テレワーク・動画視聴・Web閲覧が中心なら光回線の代替として十分実用的です。ただし、Ping値(応答速度)が30〜80msとやや高く、安定性も電波状況に依存するため、オンラインゲームの対戦や大容量アップロードが中心の方には不向きです。

ホームルーター3社の比較(マンション利用想定)

事業者月額端末代最大速度スマホセット割
ドコモ home 5G5,280円73,260円(48回分割実質無料)4.2Gbpsドコモ最大-1,210円
SoftBank Air5,368円(24ヶ月-418円割引)71,280円(48回分割実質無料)2.1GbpsSB/ワイモバイル-1,100円
GMOとくとくBB WiMAX4,807円27,720円(24回分割実質無料)4.2Gbpsau/UQ-1,100円

※ 料金はすべて税込。各社のセット割やキャンペーン詳細は公式サイトで確認してください。

ホームルーターを選ぶ判断軸

スマホキャリアで選ぶのが基本です。 セット割で月額1,000円以上の差が出るため、契約中のキャリアに合わせるとコスパが最大化します。

  • ドコモユーザー → ドコモ home 5G
  • SB / ワイモバイルユーザー → SoftBank Air
  • au / UQモバイルユーザー → GMOとくとくBB WiMAX
  • 上記以外 → 速度実測の評判で選ぶ(home 5G推奨)
正直に言うと

ホームルーターは「光回線が引けないときの次善策」で、光配線方式の安定性・Ping値にはかないません。それでもVDSL実測20〜80Mbpsと比べれば体感速度は確実に向上しますし、何より「許可不要・即日開通」という強みがあります。「許可申請に何ヶ月もかけて結局拒否される」リスクを考えると、最初からホームルーターを選ぶのも合理的です。

判断フロー — 戸建てプランかホームルーターか

ここまでの内容を整理すると、選択は以下のフローで判断できます。

Q1:管理規約で個別工事が禁止されていますか?

YES → ホームルーターを検討
NO → Q2へ

Q2:管理組合・オーナーの許可が取れそうですか?

NO(または時間がかかりそう) → ホームルーターを検討
YES → Q3へ

Q3:工事費・原状回復費(合計5〜10万円程度)を負担できますか?

NO → ホームルーターを検討
YES → Q4へ

Q4:オンラインゲーム・大容量アップロードが中心ですか?

YES → 戸建てプランの個別契約(auひかり / NURO光 / コミュファ光 / eo光)
NO → どちらでもOK。コスパ重視ならホームルーター、速度重視なら個別契約

ポイント

判断に迷ったら、許可申請と並行してホームルーターを使う方法もあります。SoftBank AirやGMOとくとくBB WiMAXは違約金0円(端末残債のみ)で解約できるため、許可が下りたら光回線へ乗り換える運用も可能です。

まとめ

VDSLマンションで個別契約に切り替える3ステップは、(1) 3条件を確認(光配線設備・管理規約・費用負担能力)、(2) 許可申請テンプレで管理者と交渉(穴あけなし・自費負担・原状回復をセットで提示)、(3) 戸建てプラン対応の独自回線(auひかり・NURO光・コミュファ光・eo光)を選ぶ、です。

許可が下りない・工事を待てない場合は、工事不要のホームルーター(ドコモ home 5G・SoftBank Air・GMOとくとくBB WiMAX)が現実的な代替策になります。「個別契約にこだわって何ヶ月も停滞する」より「次善策に早く切り替えて快適な環境を手に入れる」方が、満足度は高くなることが多いです。

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