クラウドへのアップロードが遅いときは、同じファイルで接続方法とアプリを変え、回線全体が遅いのか、そのサービスだけ遅いのかを確認します。同期エラーや保存容量の不足なら、回線を替えても解決しません。
最初に遅い範囲を切り分ける
- 同期アプリが「送信中」か「準備中」「同期停止」「容量不足」かを区別します。
- 他のバックアップや大きな送受信を一時停止し、上り測定に対応した速度測定サービスで測ります。当サイトの診断は上り速度を測定しません。
- 同じ端末をルーターへ有線接続し、同じファイルを再度送ります。
- 同じサービスのブラウザ版と同期アプリで比較します。元データを残し、試験用コピーは識別できる名前にします。機密ファイルを別サービスへ送る必要はありません。
| 観察結果 | 次に確認すること |
|---|---|
| Wi-Fiだけ遅い | 距離、遮蔽物、接続帯域。『ルーターの置き場所』へ |
| 有線でも測定値と転送の両方が遅い | 他端末の通信、配線、契約上限、時間帯 |
| 測定は速いが一つのサービスだけ遅い | 障害情報、同期エラー、帯域設定、ファイル制限 |
| 小さいファイルを大量に送ると遅い | ファイルごとの処理。フォルダ単位に分けて比較 |
測定先とクラウドのサーバーは別です。速度測定の数値がそのままクラウドで出るとは限りません。
容量から待ち時間を見積もる
理論時間は「容量(バイト)×8÷上り速度(bps)」で求めます。下表は1GB=10億バイト、一定速度で通信処理の追加時間がない場合の計算です。
| ファイルサイズ | 上り30Mbps | 上り100Mbps | 上り1Gbps |
|---|---|---|---|
| 100MB | 約27秒 | 約8秒 | 約0.8秒 |
| 1GB | 約4分27秒 | 約1分20秒 | 約8秒 |
| 10GB | 約44分27秒 | 約13分20秒 | 約1分20秒 |
| 100GB | 約7時間24分 | 約2時間13分 | 約13分20秒 |
実際にはファイル確認、再送や相手側の処理が加わります。一律の速度基準ではなく、必要なファイルを期限内に送れるかで判断します。
サービス側のエラーと上限を確認する
- Google Drive:空き容量と同期エラーを確認します。制限が表示された場合は個人・組織アカウントに対応した案内に従います。組織向けの上限を全個人アカウントへ当てはめないでください。
- Dropbox:公式の単一ファイル上限は2TBで、空き容量も必要です。375GBを超えるブラウザ転送は中断の可能性があるため、公式はデスクトップアプリなどを案内しています。
- OneDrive:単一ファイル上限は250GBです。大きなファイルには同期アプリが推奨されています。ファイル名・パス・保存容量のエラーも確認します。
- iCloud Drive:同期状態とストレージの空きを確認し、表示されるエラーに応じて端末・OSに対応したAppleのヘルプを参照します。
業務アカウントは管理者側の制限もあります。時刻・サイズ・エラー内容を管理者へ伝えてください。
帯域設定を確認する
Google Drive for desktopは詳細設定でアップロード・ダウンロードの帯域上限を確認できます。公式ヘルプの単位はKBps(キロバイト毎秒)で、Mbpsとは異なります。ストリーミングとミラーリングは主に保存方法の違いで、切り替えればアップロードが速くなる設定ではありません。
Dropboxはアカウントメニューの設定から「ネットワーク」→「カスタム帯域」を確認します。自動管理に戻すか、意図せず低い上限になっていないかを見ます。画面名はOS・版により異なります。
帯域上限と並列ファイル数は別です。 共通の最適並列数は示せません。大きな同期は小分けにして比べます。会議と同時に使う場合は転送の一時停止や上限設定が役立つ場合もあります。
宅内と回線を調べる
有線で改善する場合は『ルーター選びの基本』へ進みます。ケーブル交換前にリンク速度と差し込み状態を確認してください。1Gbps接続に使える正常なCAT5eを一律に買い替える必要はありません。10Gでは各機器のポートと配線の対応も必要です。
夜だけ有線でも遅い場合は『夜間の混雑の切り分け』へ。PPPoE利用中なら、事業者にIPv4 over IPv6の対応・適用状態を確認します。PPPoEだから上りだけが必ず遅くなるわけではなく、改善するかは混雑箇所によります。
回線変更を検討する条件
有線・複数の時間帯でも必要な転送時間を満たせず、サービス制限や端末の問題を除外できたら比較します。先に現事業者へ測定結果と発生時間を伝え、障害・配線方式・契約上限を確認してください。
上り最大速度だけでなく、住所、機器代、工事費、月額、解約費用を含む総額で判断します。10Gでもクラウド側が制約なら短縮できません。差額を回収できるかは実際の用途次第です。
『回線診断』は利用条件に合う候補の整理に使えます。上りの測定結果は別途用意してください。